2007-03-08

偉人の旋毛曲り

寺田寅彦は偉人のつむじ曲がりということで「科学上における権威の価値と弊害」を論じているが、これを読んで先日の中沢新一の議論を思い出した。結局、科学はつむじ曲がりが輩出してそれまでの権威を否定することで一層科学らしくなっていったと言えるだろうが、中沢であればこれは単にバランス感覚を回復する正常な反応があらたなものの見方をもたらしたにすぎないと言うのではないかと思った。偉大なつむじ曲がりはそういう意味では無意識にバランスをとる天才だったともいえるだろう。